海外赴任は大企業の出世コース。実情を暴露します。
大企業のサラリーマンの一握りしかなれない、海外駐在員。出世するには海外赴任を経験していることが条件の会社も多く存在します。
とはいえ、実情はなかなかネットに情報がなかったりしますので、僕の経験談から海外駐在員の待遇、メリット・デメリットなどをお伝えしたいと思います。
僕は20代のときに、3年半ほどアジアの国で駐在経験があります。
海外赴任の待遇
海外駐在員の待遇は、日本で働くのが馬鹿らしくなるくらい、恵まれているのが普通です。
少なくとも、海外赴任手当がつきます。会社によりますが、若手でも手取り月10万円~のプラス。
あとは、マンションか一軒家をあてがってもらえますが、現地の人が住むような家は治安の問題があるので、高級コンドミニアムに住むのが普通です。
僕の住んでいたところは、プールとジムとBBQテーブルが完備されていました。
部屋は、1LDKでしたが、80㎡くらいあったので、正直今の家より広かったです。
家具がしょっぱいのは、家具付き(Fully Furnished)という、貸し手のオーナーが家具を揃えてくれる形態のレンタルなため、オーナーの趣味です。僕の趣味ではありません。
家賃はびっくりするくらい高いのですが、駐在員なので会社持ちです。僕の場合は、社宅扱いで、数万円くらい引かれてたかな。まあそれでも、まともに住むと数十万円するので、微々たるものです。
会社によっては、駐在国にもよりますが自動車と運転手を付けてくれます。
また、危険国に行くと、危険地手当が別途でます。
タイ(軍事政権)・韓国(冷戦中) 月に数万円~ から、アフリカ・南米 月に数十万円~まで。
僕が聞いた中で一番危険地手当が高いのは、三〇物産のシベリア駐在(天然資源開発)と、商社のイラク駐在(自動車の販売仲介)、商社・銀行の南米駐在と聞きました。
会社によっては、若手でも手取りで月50-60万くらいでるらしい。帰国したら、みんな退職してそのお金でMBAを取りに行くと聞きました。
また、現地でもらう給与は、物価調整が入っているのが普通です。
つまり、アメリカ駐在の30万円と、ベトナム駐在の30万円は、価値が違うよねってことです。
なので、その場合、物価が高い国に赴任すれば、30万円ではなく、40-50万円くらい現地通貨でお給料がもらえます。
この物価換算レートは、普通は外資系の人事コンサルを入れて計算しますが、家賃が大きな比重を占めているんですよね。 その国で普通に生活しようと思ったら、家賃も払うので当然です。
しかしながら、駐在員は家賃を払わなくていいわけです。
そうすると、「家賃はアホみたいに高いけど、その他の物価がそんなに高くない国」に赴任すれば、その国での購買力以上のお給料がもらえるわけです。これを、駐在アービトラージと僕は勝手に命名しました。
具体的には、韓国、香港、シンガポール。ローカルの飯屋が安い一方、国土が狭くて家が高い国です。
ちなみに、僕が赴任した時は、手取りで、
現地給与40万円+海外赴任手当10万円+危険地手当0円=50万円くらいもらっていました。
これで家賃がほとんどタダみたいなもんだったので、ボーナス入れると実質年収1500万円くらいもらってたんじゃないかなあ。
まあこれは恵まれていたほうで、家賃も物価も安くて治安も良いベトナムやマレーシアなんかに行くと、あんまり旨味はないと思います。ド田舎なら手当あるかも、ただ本当にやることがゴルフしかなさそう…。
現地採用との身分差
場所によりますが、現地で採用されたスタッフ(日本人、外国人問わず)よりも、駐在員のほうが社内での立場は格上です。僕も、20代中盤でいきなり部下が4人できました。
日系企業は地場企業より多少良い、程度の給与しかもらえないことが多いので、日本人が現地採用で生活しようとすると、相当カツカツです。
欧米、香港、シンガポールあたりですと地場企業やグローバル企業がきちんと給与を出すので、日系企業も人をつなぎとめるためにそれなりに報酬を出します。
しかし、そういう物価の高い国に行くと、駐在員の給与も跳ね上がるので、結局どこまで行っても、駐在員給与には勝てません。
外国語ができなくても海外赴任できる?
最低限の英語は出来ないと、現地採用の部下とコミュニケーションすら取れません。
挨拶、ビジネスでの最低限の会話、簡単な受け答え程度は出来なければ話になりません。
しかし、日系企業に勤める現地社員は、日本人の駐在員は英語ができないと知ってます。
なので、ある程度は生暖かい目で見守ってくれます。どうせ心の中では馬鹿にされてますが。
まあ、仕事していくうちに語学についてはどうとでも向上します。できるようにならないと、仕事にならないしね。
逆に、帰国子女レベルで、英語圏に赴任すると、帰国辞令が出ると大抵転職します。なので、あまりにも英語ができると逆に海外赴任できないというよくわからないジレンマがあるという話も聞きます。
海外赴任のメリット・デメリット
メリットは、
①待遇は良いので確実にQOLが上がる
②部下ができることが多いので、マネジメントスキルを鍛えることができる
③なんだかんだ語学力と異文化コミュニケーションスキルが身につく
④出世コースに乗れる
デメリットは、
①どこまで行っても本社との調整役で、専門スキルは身に付きづらい
②最先端のことはできないので、帰国した時に浦島太郎状態になる
③帰国した後に生活水準を落とせなくて、詰む
メリットも大きいですが、デメリットも大きいです。駐在員として赴任する以上、求められる職務は、本社との折衝であることが多いです。そのため、やりたい仕事ができるかというと、まず出来ないと思った方がいいです。
海外で大きな仕事がしたいと思っても、そういうサイズの仕事は日本本社が扱うので、案件サイズも小ぶりです。
また、給与が大きく上がって生活水準を上げてしまうと、日本に帰国した時にギャップで苦しむことになります。
まとめ
海外勤務は面白いし、QOLも高いので、楽しかったのですが、僕も帰国したときのギャップに苦しみました。
仕事自体にやりがいをあまり感じなかったこともあり、ストレス発散に毎月海外旅行してました。
まあ、今から振り返ってみると、良い経験だったとは思います。海外赴任のチャンスがあれば、トライしてみることをお勧めします。