ということで今回は年金の話をします。
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年金は大きく分けて3種類
日本の年金は大雑把に3種類に分かれます。
ということで、このシリーズも3回に分けて書きます。
第一部:国民年金編
第二部:厚生年金・企業年金編
第三部:個人型確定拠出年金編
です。まとめ編で年金財政の話も書きます。
年金がお得になるようなTipsも交えて書きます。
話をわかりやすくするために、障害年金や、遺族基礎年金などについては省略します。
一般的なフリーランス、サラリーマンが役に立つTipsを書いていきたいと思います。
国民年金とは
国民年金というのは、国民年金法で定める、日本国民および日本在住外国人に受給資格のある公的年金のことです。
日本在住者は、必ず20歳~60歳までの40年間、保険料を払わなければなりません。
日本国籍で海外在住者は任意です。
40年間払い終えたら、65歳から国民年金がもらえるようになります。
終身なので、生き続ける限り、もらえます。
保険料と受給額について
保険料は、2021年現在、16,540円/月、年間だと、198,480円です。
保険料は、だんだん値上がりしていて、2010年だと15,100円でした。10年で、1,400円くらい上がっています。年間だと、16,800円です。けっこうでかい。
65歳以上になって年金がもらえるようになると、
2020年は、65,141円/月、年間781,692円もらえます。
(保険料を40年コツコツ支払った場合)
20歳以上の大学生だと、学生納付特例制度を利用して、保険料を支払わない場合がありますが、その場合は、20歳~22歳分は、「未納」という扱いになります。
その後、就職して38年間、保険料を払った場合、もらえる額は、満額の38/40=95%になります。2020年だと年間74.2万円くらい。
なので、多少払いそびれていたとしても、年金受給額が未納年分もらえなくなるだけなので、そこまで心配する必要はありません。受給に必要な資格期間は10年です。なので、とりあえず10年保険料を納めていると、65歳以上で年金をもらえるようになります。
保険料が毎年上がっている背景
日本の年金制度は、賦課方式なので、今の保険料が将来の自分の年金原資になるわけではなく、今の国民年金の支払いに充てられます。
そのため、老人世代を現役世代で支えるために、保険料の増加が必要ということです。
ここから、よく
「将来的に年金は破綻する」とか、
「年金は今の老人に有利で、現役世代は払い損」などと言われていますが、
本当にそうなのか考えてみます。
年金制度は破綻するのか?
しません。
賦課方式なので、現役世代が保険料を払ってくれて、年金原資がある限りは年金はもらえます。その時に、老人の数が多すぎて受給額が下がってしまう可能性はありますが。
現役世代は払い損なのか?
違います。
なぜなら、投資した保険料以上の年金が返ってくるからです。
インフレが起こらないとしたら、年金保険料は年間20万弱で固定です。
40年投資したら、794万円の投資です。
受給額は78.2万円で、2020年の平均寿命は84歳なので、
65歳から84歳まで20年間、国民年金を受け取ると、
1,564万円受給できることになります。
我々現役世代が年金を受け取る頃には、平均寿命がもう少し伸びていると思われるため、トータルの年金受取額は更に増えます。
仮に、平均寿命が5年伸びると、トータルの年金受取額は25%上がるため、
年金の受取額が年20%下がったとしても(62.5万円まで低下)、1,564万円でトントンです。
もちろん、世代間格差はあります。今受給している人は保険料安かっただろ、と言われたらまあそれはそうなのですが、平均寿命が短かったから、結局もらえる年金額は限られてます。
とはいえ、年間20万を積立投資して、1,560万戻ってくるのはそんなに分の悪い投資ではないように思います。しかも保険料支払は税金控除されるしね。
国民年金のお得Tips ①現金払い前納制度
これは、フリーランス、自営業者のみの限定技です(国民年金第一号被保険者)。
サラリーマンは使えません(厚生年金のないサラリーマンは使えます)。
現金で、1年分をまとめて支払うと、2021年は3,540円安くなります。
なお、2年分まとめて支払うと、14,590円安くなります。
2年分で、398,400円支払いのところ、383,810円支払いになるので、
なんと3.7%引きです。
追記)なんと、クレカ払いもできるようになったようです。ポイントもついてお得ですね。
国民年金のお得Tips ②付加保険料の支払い
これは、フリーランス、自営業者のみの限定技です(国民年金第一号被保険者)。
サラリーマンは使えません(厚生年金のないサラリーマンは使えます)。
海外在住のフリーランスの人も、任意で国民年金を払えるので、そういった人は付加年金も払っておいた方が得です。
保険料を、月400円、年4,800円増やすことで、将来の年金額を増やせます。
40年払い続ければ(19.2万円)、年9.6万円が上乗せされます。
なんと、2年で元が取れます。増額、減額はありません。
40年満額払わなくても、払った月数×200円が毎年もらえるので、バグみたいなもん。
国民年金のお得Tips ③受給繰り下げ
これは、サラリーマンでもできます!みんな使えます。
国民年金は65歳から受給できるわけですが、いつから受取するかを選択できます。
1か月受給を遅らせるごとに、0.7%受取額が増えます。1年遅らせると、8.4%です。
2020年だと、受取額は78.2万円×1.084=84.8万円/年になります。
例えば、今65歳の人が、平均寿命84歳まで年金を受給するとして、
繰り下げなし)78.2万円×20=1,564万円
1年繰り下げ)84.8万円×19=1,610万円
と、総年金受取額を46万円増やすことができます。
Maxで、70歳まで、5年繰り下げ42%増額まで増やせますが、さすがにそこまで行くと、平均寿命までだと元が取れないと思います。
5年繰り下げで、70歳から年金受給開始、84歳まで生きた場合)
78.2万円×1.42×15=1,665万円
まあ、人はいつ死ぬかわかんないのでね、なかなか年金がもらえない中、貯金だけで生活するのもしんどいと思います。
もらえる時期になったらもらっても良いと思いますが、余裕がある方は繰り下げ受給も視野に入れたほうが良いと思います。
最後に
ということで、今回は国民年金編でした。
次回は、複雑怪奇、厚生年金編に行きます。