こんにちは。くまいろです。
黎明期(何年黎明期やってるのかわからないですが)の仮想通貨市場では、まだまだいろんなマーケットの歪みが存在しています。
機関投資家の目線から見ても、いろいろマネタイズできそうな市場なのですが、仮想通貨そのものにベットできる環境ではまだないので、こういった商品ができたら仮想通貨市場がもっと効率的になるのになあ、というような商品を考えてみました。
SBIさんとかNISHIさんのTAOTAOさんとかパクっても良いよ
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仮想通貨を裏付けにした有価証券
有価証券の形で証券会社で売買できるようになると、税金が雑所得の総合課税から分離課税の20%(所得税15%、住民税5%)になる可能性があります。
雑所得の総合課税の税率は1-2百万稼いだ程度だと、税率は20%より安いし、経費も申告できるので、普通のサラリーマンが普通に仮想通貨で儲けたくらいだと総合課税のほうが税金が安いです。
とはいえ、確定申告の手間がかかったり、思ったより儲かってしまうと税率が跳ね上がったり、繰越損失が使えないので翌年損した時に控除できません。っていうかそもそも確定申告が面倒
そもそも、高給取りのサラリーマンと専業主婦が、仮想通貨で同じだけ儲けた時の税金が違うというのはおかしな話です。
そこで、有価証券の形で売買できるようにします。
これね、天才かと思いました。というかマネックスが率先してやるべきだろこれは
この商品について解説しました。こちらもご覧ください。
仕組債の形で売買するので、税法上は有価証券売買による分離課税になるかもしれません。
こういった形で、仮想通貨を裏付けとした、仮想通貨の値動きが反映されるようなファンド、仕組債ができれば、税金は分離課税で処理できる可能性があります。
グレイスケールが提供しているGBTCファンドも、有価証券の形での売買になるので、日本で同様のことができれば、20%の分離課税が適用されるはずです。
税金については税理士あるいは税務署に必ずご確認ください。
なお、2021年2月現在、仮想通貨の投資信託について、日本国内で認可されたものは存在しません。やりたければ自己責任で。
仮想通貨のオプションを利用した仕組預金
仕組預金というのは、デリバティブを入れて、利回りを高めた預金のことです。
だいたいどの銀行でも提供しています。
「円の預金利率は1年で8%、ただし1年後のドル円レートが90円以下になっていたら、預金をドルで返す」
といったような条件付き定期預金のことです。
いま1ドル100円として、100万円の1年定期預金(100万円/100円=1万ドルの定期預金、と考えると良いです)を組みます。ドル円のレートが1年後も90円以上であれば、8%の利息が付いて、1年後には108万円で戻ってきます。
ただし、1年後に1ドル90円まで落ちたら、1万ドルに8%の利息を付けた、10,800ドルで返金されます(10,800ドル*90円=97.2万円)。100万円投資したわけなので、100-97.2=2.8万円の損になります。
1ドル90円より円高になっていたら、もっと損失が膨らみます。1ドル85円なら、10,800ドル*85円=91.8万円なので、8.2万円の損失です。
こういった仕組み預金は、裏にデリバティブ(今回の場合ドル円のプットオプションの売りによるプレミアム)を入れて、利回りを上げています。
オプションの売りは、ボラティリティが高ければ高いほどプレミアムが上がるので、ボラティリティがアホみたいに高い仮想通貨のオプションで仕組預金を作れば、びっくりするほどの利回りを提供することができます。
ドル円の1年間のボラティリティは約10%、ビットコインのボラティリティは1年で約100%、10倍です(2021年2月)。ざっくりですが、オプション料も10倍弱になるので、提供できる利回りも跳ね上がります(もちろんリスクもその分大きいです)。
オプションの売りを組み合わせた売買指値
現物の買いと、コールオプションの売りを組み合わせた戦略を、「カバードコール」と呼びます。
例えば、ビットコインを400万円でロングしていて、450万円のコールオプションを売ります。
このとき、オプションの判定タイミング(満期と言います)にビットコインが450万円以上だった場合、いくら値上がりしていても、450万円でビットコインを売らないといけません。差引50万円のプラスです。ただし、オプションを売っているので、オプションのプレミアム料は別途もらえます。
ビットコインのボラティリティは高いので、オプションプレミアムは株や為替で同じことをするより大きくなります。
実際、2021年2月8日のビットコイン現物45,000ドルに対して、3月20日が判定日のビットコイン48,000ドルのコールオプションの売りには6,000ドル(60万円)の値段がついています。
単に、48,000ドルの売り指値を置いても、1円にもなりませんが、コールオプションの売りを合わせるだけで、60万円追加でもらえると考えると、やる気になりませんか?
(残念ながらこれはDeribitでのプライスなので日本からは登録できませんが、日系取引所なら代わりにやってくれると信じてる)
カバードコール戦略は、ボラティリティが大きくなればなるほど効果を発揮します。逆に、ビットコインを100万円で買いたいという買い指値を数ヶ月放置するくらいなら、プットオプションを売るだけで小銭が入ります。
皆さんも、つくわけない、あり得ない高値や安値に指値を置いて数年放置してませんか?その指値を置いておくだけで、ちょっとでもお金がもらえたらいいと思いませんか?
オプションを売るだけなので、その値段まで届かなかったら、オプション料の小銭がちゃりんちゃりんと入ってきます。
ただし、指値をぶち抜けても、必ず指値の値段で取引しないといけません。また、一回オプションを売った後にキャンセルすると取引コストが大きいため損して終わります。一回指値を入れると解除できないと思った方がいいです。
とはいえ、指値注文が1円にもならないのに比べると、許容できる人も多いと思います。つまり単なる指値注文を入れることは1円にもならない養分である。
これは正直、できることが限られている日系取引所はやってほしい。NISHIさんできるだろこれ。これができたらSBIに買収されずに済んだだろ。
現物と先物の鞘を組み合わせた仕組債
これは、機関投資家や事業会社からのニーズあると思う!
特別目的会社(SPV)に、円を入れて、ビットコインを買い、それを証拠金にして先物を売る。
つまり、現物と先物の鞘を取りに行くわけです。ただこれを単純に取引所でやるだけだと、利益は雑所得の総合課税になってしまうため、分離課税で処理できそうな仕組債の形で実行するわけです。
そうすると、ほぼノーリスクで3-5%/3か月とか言う、わけのわからない高利回りの債券ができる。(先物レートが現物に対して異常に上昇したら証拠金が清算されて損して終わります)
これは富裕層にも売れる。
①投資家は円をケイマン籍の特別目的会社(SPV)に払い込む
②SPVはその円に対して債券を発行、投資家に渡す。
③SPVは受け取った円でビットコインを買い、同時に3か月先の先物を売却する
④今の現物価格と、先物価格の差(鞘)が、利息の原資になる
⑤先物の期日になったら、現物を売却するか、先物の受け渡しに現物を当てて、円に戻す
⑥戻した円を、投資家に返還する。
まとめ
ということで、市場がまだ歪んでるので機関投資家がリスク少なく参入できる、もしくは個人投資家が少しでも儲かりそうなスキームを考えてみました。
こういった仕組みもすぐに整備されて、歪みがなくなってくるので、やるなら早いうちだと思います。どうせそのうちどの取引所でも整備される